ご自宅のお仏壇は
右脇懸(向かって右)十字名号「帰命尽十方無碍光如来(きみょうじんじっぽうむげこうにょらい)」または、宗祖親鸞聖人の画像
中央(ご本尊):六字名号「南無阿弥陀仏」または、阿弥陀如来立像の画像 又は、木像
左脇懸(向かって左)九字名号「南無不可思議光如来(なむふかしぎこうにょらい)」または、八代蓮如上人の画像
親鸞聖人以来、浄土真宗のご本尊は十字名号でした。親鸞聖人は、ご本尊として南無不可思議光仏という名号もお書きくださっています。そして蓮如上人は、ご本尊としての南無阿弥陀仏を数多くお書きになられています。その一部が圓勝寺にも伝わっています。
覚如上人の頃から、ご本尊は本山本願寺から下附(お預かり)することがはじまり、現在でもそれがスタンダードですので、ご本尊をいただく場合には、圓勝寺にご相談いただき、本願寺より下附していただくことをお勧めしています。
ただ、最近は木像をご本尊とする門信徒宅のお仏壇も増えてきました。明治以降は、両脇には親鸞聖人と蓮如上人の画像をお掛けしているご仏壇が増えてきたように思います。
それから、購入しようと思っているご本尊のサイズで、ご仏壇のサイズがわかることがあります。唐木仏壇は「寸」や「号」で大きさが表され、金仏壇は「代」でサイズを現わしますが、これはご本尊を含む掛け軸のサイズを示したものです。
浄土真宗では、ご家庭で用いるご仏壇の掛け軸には通常三枚を使用します。この掛け軸のサイズが八段階と決まっています。
二十代
三十代
五十代
七十代
百代
百二十代
百五十代
二百代
とされています。真宗十派で多少の誤差はありますが、この掛け軸のサイズが入るかどうかによって、ご仏壇のサイズが変わってくるのです。このような理由からも、金仏壇は浄土真宗門徒に長く親しまれてきたのですが、金仏壇がよろしいといわれているだけで、実は厳密な決まりはありません。生活に合うデザイン、機能を持ったご仏壇を選んでみてもよいのです。
さて、上記の表は、はご本山が取り扱うご本尊のサイズです。しかし、近年では仏壇のサイズや種類も増え、洋風のものもたくさんあり、ご仏壇は必ずしも仏間に置くためのものではなくなってきました。
マンションのリビングなどに置けるモダンな家具調仏壇や、家具の上に置く上置き型などが登場していますので、必ず本山サイズのご本尊をおけるというわけでもありません。
ご本尊をご本山から取り寄せるには、京都の西本願寺に問い合わせていただくか、お寺が取り次ぐことによって取り寄せることができます。その際には、冥加金というお布施が必要になります。
おつきあいの寺がないという場合には、当方圓勝寺もしくはお近くの仏壇店に相談してみてください。私製版を販売しているところもあります。
浄土真宗のご仏壇とご本尊の飾り方
ご仏壇の飾り方は決して難しいものではありません。簡単なルールがありますから、それに従って安置したり納めていくということになります。
ご仏壇は仏教徒のものと思われがちですが、他の宗教にもご仏壇と同じ役割を持つものがあり、そこでもやはり、大切になってくるのが飾り方なのです。
浄土真宗の門徒にとって、ご家庭のご仏壇はとても歴史が深く、同時に毎日のお勤め(お経を拝読すること)にはかかせないものです。ご仏壇の飾り方を確かにマスターし、心良き念仏生活をはじめましょう。
さて、浄土真宗本願寺派のご家庭用ご仏壇の飾り方です。
最初に記しましたように、中央にはご本尊として「南無阿弥陀仏」と書かれたお名号の軸か、阿弥陀如来のご絵像の軸か、お木像を安置します。
両脇には、向かって右手に浄土真宗の宗祖・親鸞聖人の御影、または「帰命尽十方無碍光如来」の十字名号を掛けます。左には、蓮如上人の御影、または「南無不可思議光如来」の九字名号を掛けます。
寺院のご本尊には、浄土真宗本願寺派本山から木仏が付与されます。浄土真宗に限らず、仏壇の飾り方で一番大切なのが、これらのご本尊を中心とする部分です。一番大切なご本尊は間違いがないよう気を配るものです。ご本尊にはお仏飯と呼ばれる供物をお供えします。
浄土真宗では、ご仏壇の中に余計なものは納めません。お位牌やお札も入れないようにしてください。もし、置き場所にこまるものがございましたら、圓勝寺までご連絡いただければ、お預かりすることも可能です。
また、故人さまの法名は小さな掛け軸状に表装して、ご仏壇内の側壁に吊るすというのが正式な作法です。その法名は、法要をつとめる縁となった故人をしのぶためのものです。
ご仏壇には、仏飯をお供えしますが、これは専用の器(ご仏壇付属している場合が多いです)に蓮のつぼみのような形で盛ります。中央のご本尊、両脇掛けの前に合計三つをお供えします。
お花(仏花)は、平常は花瓶一つを、前卓というご仏壇内にある机の上に、向かって左側でお供えします。向かって右には蝋燭立てです。
お花は、毒のあるものやとげのあるものを除けば、どれを挿していただいても構いませんが、枯れてから交換するのでなく、枯れる前には新鮮なお花にしてあげてください。蝋燭は、通常は白いものを使用します。赤いものを使用する時は、十三回忌法要以降か、慶事の時です。
お線香は、ご仏壇中央の前卓上に置かれた香炉で焚きます。浄土真宗では、立てずに寝かせて焚くのが正しい作法です。
年忌法要や、お盆、お正月などには、打敷という三角形の布を掛け、花瓶は左右対で、蝋燭も左右対でおかざりします。