時間と気持ちと手数をかけて

心のこもった儀式を

近年はどんなサービスもスピードアップをはかっているように思います。ファーストフード店で注文をしたならば、支払いを済ませたとたん、瞬く間に商品が出来上がって、手元に渡してくれます。5分もかからず完了で、非常に快適ではあるのですが、すっきり行き過ぎという思いがします。

時間や手数を掛けて物事を行うことは、一見非効率に思えるかもしれませんが、その時間と手間には気持ちが込められて行くものです。特に大切な方をお送りさせていただく通夜葬儀の儀礼、また仏事の法要儀式には、時間を掛けて手数を尽くして、感謝と尊敬の気持ちを重ねつつ修していただきたいものです。
そこには、とても尊い世界が展開されていくと思います。それは、心のこもった儀式の姿であって、決して後悔を遺さず、人間のいのちをいただいて、巡り会って家族となり、つながりを持ったことのよろこびを感じてゆける味わい深い場といえるのではないでしょうか。   

ご葬儀は、故人さまが自らの死により、遺族さまをはじめ生き残った方々に、その悲しみを縁として「往生浄土」の意味をお示しくださる貴重な儀礼であります。
 
それが社交の場となり、喪主さまやご遺族の方が、始終会葬者さんに向かってご挨拶なさっておられることがありますが、これはどうにも違和感がございます。

礼儀ももちろん必要ではあります。しかしながら、悲しみのなかで故人さまとのご縁を偲び、ご恩を味わう大切な時間ですから、読経中の立礼などは省略してもよいとは思います。


 
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